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ナナとのお別れ(2015年9月,10月 解剖所見 中毒について追記)

2011年5月29日

久しぶりの日記になってしまったのには、時間が取れなかったのもあるし

もうひとつは、我が家の鳥が 亡くなったということがありました。

ナナとのお別れ(2015年9月,10月 解剖所見 中毒について追記)_c0132048_9223119.jpg


マーリン(コチョウゲンボウ)の、ナナ。
昨年 我が家に来た子でした。
その羽根の色、くちばしの感じから、年齢が高いんだろうなと推測していたけど、

我が家で一番、食欲旺盛で
エサの用意をすると一番にばたばたと反応して ごはん!!とせがむ
元気な子だった。

ある日突然、食欲が落ちて、エサを残したので
あれ?
と思って
ふと気づいたときは尿酸がライムグリーンの、いわゆる「非常に悪い」異常便。

ナナとのお別れ(2015年9月,10月 解剖所見 中毒について追記)_c0132048_9184041.jpg


そのあとは 食べたエサも吐いてしまい、目をしょぼしょぼさせて、
一気に具合が悪くなってしまいました。

その日の夜 病院に連れて行って
即入院したのですが
次の日の夕方 先生から電話があり
つい先ほど息をひきとった…と。


あまりにも早い展開に、正直呆然として
現実を受け入れづらいものがありました。


原因究明のため、剖検をおねがいしました。

結果は、「動脈硬化が疑わしい」
とのこと。
動脈硬化は
高齢の鳥ではたまにあると。
(※2015年9月 10月 下に追記あり)

そのほか、細菌やウイルス感染の可能性
テフロン加工等のフライパン加熱(ポリテトラフルオロエチレン:PTFEガス)や スプレー等のガスによる中毒
なども考えられる原因としてはあるとのことでした。

吸入中毒は思い当たる節がなかったけど
(※2015年9月 下に追記あり)
ウイルスの可能性…というのには どきっとしました。

じつは、チョウゲンボウのシンも、ナナが具合悪くなる2週間ほど前からまた
血の混ざった粘膜便をしていたので
病院にかかっていました。

でも薬(抗生物質等)があまり効いてないようで
薬あげ始めてから1週間たってもまだ便の調子がよくなかった。

もしかしたらナナと同じ原因かもしれない…と ほかの感染性のモノや中毒も疑い
ナナの亡くなった次の日、急いで、豪徳寺のリトル・バードにて、シンの糞便検査をもう一度してもらいました。

幸い…というのも変だけど
コクシジウム(寄生虫の一種)が検出されたのですよ、シンから。
なので、ちょっとだけ、安心したというか…
シンは今はコクシの治療をしています
症状は改善してきています。

もちろん、ウイルス性の感染症の可能性も、無きにしもあらず…
なので、もしそうだった場合
ナナの身体は、接触させると ほかの鳥たちへの感染源になりかねない。

それもあり
ナナは、剖検後、お骨にしてもらうことにしました。


お骨にしてもらうということは、
なんというか、仏教的な考えなのかもしれないけど
天に昇っていって輪廻転生する姿を想像することで
自分自身の中での心の区切りになるような気がします。

お骨が戻ってきたら、
お供えをしてあげようと思ってます。

生肉はさすがに 厳しいので
ナナの胸元の色のような、
綺麗な山吹色の花でも 供えようと思います。

ナナとのお別れ(2015年9月,10月 解剖所見 中毒について追記)_c0132048_918353.jpg

※2015年9月
1)病理検査報告書

解剖所見
心臓:両側腕頭動脈の肥厚・効果++
肺:鮮紅色++
腹大動脈:肥厚・硬化+
肝臓:暗赤色+++、腫大++
脾臓:暗赤色++
腺胃:内容物なし
筋胃:粘膜面に黄白色の粘ちょう液付着+
腎臓:暗赤色化+


2)吸入中毒は思い当たらない、と書いていますが
鳥は、吸入毒性に対しては非常に感受性が高いため、否定はできません。
殺虫剤、芳香剤、ニス、ラッカー、スプレー、などでも中毒を起こす可能性があります。
人間が気づかず日常使っているものが、中毒の原因になっている可能性があります。
我が家でも、鷹道具作りで革の染色材や接着剤を使うこともあり
もしかしたらそうしたことが、小さいナナの身体に大きなダメージを与えていたかもしれません。



※2015年10月
3)鉛や亜鉛などの金属を摂取したことによる急性中毒(鉛中毒)や亜鉛ちゅうどだった可能性も否定できないように思います。
鉛中毒は、通常 固形の鉛を摂取することで発症しますが 
それ以外にも、
鉛が基剤の塗料(ニス・ラッカー)など 鉛を含むものは日常に存在しており
目に見えないところで暴露している可能性があります。

レントゲンに写ることもありますが、写らない場合もあり、はっきりした原因が不明な場合も多いようです。
溶血症状(赤血球が破壊される)、消化器症状、神経症状、腎不全などが見られることが多いようです

・突然の発症で、肉付きは良好、急に具合が悪くなった
・便ではなく、尿酸の色がライムグリーン(通常は白)
・解剖所見
から、鉛中毒だったという可能性もあるのではないか…と、今更ながら思いました。

飼い主が死なせてしまったかもしれないと考えると 苦しいのだけど
記録を残すことで 同じような事例で苦しむ鳥を減らすことにつながれば。

上記のような場合は、いちもくさんに病院へ行くことをおすすめします

by biker-vet | 2015-10-22 07:29 | 鳥の病気・メンテナンス


falconer歴約10年。ハヤブサ・鷹などの猛禽類のfalconryトレーニング、病気・健康管理、野生動物(主に猛禽類)の治療やリハビリのことなど。STOOPERの猛禽用グローブ・フードも紹介しています。http://www.stooper.jp


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