カテゴリ:鳥の病気・メンテナンス( 20 )

トレーニングシーズン(冬季)の脱水、体重管理について(2015年 update)

2016.12.1
狩猟シーズンに入って4〜8週目には、体調不良が多く発生します。
気温の低下により急激に体調悪化につながる場合があるので、特に注意が必要です。
また猛禽類のうち特に若鳥、病鳥、投薬中の鳥には毎日水を与える必要があります。
水を飲むことが少なくても常時手の届く場所に新鮮な水をおいておきます。

<体調不良>(猛禽類、ハト、水鳥マニュアルより)
「飛行体重」を維持している猛禽類のほとんどは食事制限を受けている。
そのため身体は痩せており、獲物を追う強い動機を持っている。
突然治療が必要な状態に陥ったように見えるが、実際はもっと長い間、全身性の異化が生じており、エネルギーが残っていない。
気温の急激な変化によりしばしば体調が悪化する。
早期発見が不可欠であり、放置すれば2〜3時間の命しかない場合がある。

***********************
2015.12.1
人間界では インフルエンザやノロウイルスが流行り始めました
自分たちの体調管理に気を付ける…だけでなく 
鳥たちの体重管理も よりこまめに体重を測るほうが安心です。
とくに小さい鳥は、寒い日は、体重が想像以上に減っていることがあるので
体重計で測るだけでなく、必ず胸筋を触って、肉色を確かめる方ことをオススメします

それら体重や食べた餌の量、糞の状態など、
いわゆるカルテを作り毎日記録に残すと、些細な異常に気が付く可能性が高くなります


体重が昨年と同じでも、胸筋を触ってみたら、実は全然肉が付いていなくて、
痩せてガリガリだった…ということがあります
体重だけ見ていては、大事なことを見落とすことがあります

私はそこを見落とし
とてもとても大事な鳥を亡くしました

いまだに、後悔で苦しいですが
じぶんの苦い経験談が、だれかの参考になり、不幸な死を迎えたり病気になったりする鳥が、減ってほしいので、これを書いています


それから冬は乾燥で、鳥たちは意外に喉が渇いてます

我が家のハヤブサは、冬でも、気が向いた時は
水桶に入ってがぶがぶ飲んでいます(気が向かないときには水桶にすら入らないが)

トレーニングや、ハヤブサの写真を拝見すると「大丈夫かな??」と思うような子を結構見ます

ファルコンリーをする鳥は
フードをかぶせたり、止まり木に留めていたりで自由に水が飲めない状態で飼われている子が多いので
腎臓はもちろん、体の調子を悪くしたりする鳥も多いです

水は特に飼い主が気をつけて、積極的に与えるようにした方が良いです。

c0132048_08151025.jpg

この写真は、トミーというアプロマドファルコンで
輸入され、家に来た後の写真です
2007年の夫のブログから失敬しました

徐々に慣らしていきましたが、その間餌や水を十分与えることが出来ず、目の周りが落ち窪んでいたので、脱水があったと考えられます

目の周りが落ちくぼんでいたりしたら、脱水かもしれません。
こまめに水を与えるのを忘れずに…


もし体調が悪そうだと気付いたら
体温を温め維持し、獣医さんに行き補液を入れてもらうだけでも、効果はかなりあります
c0132048_1923582.jpg



********************
2013.12.1
鳥たちも、首を背中に埋もれさせ眠る季節になりました。
最近、ブログの更新はグローブやフードギャラリーがメインとなっていまして、
日記の方は、STOOPER facebookページの方で まめに更新しています。

トレーニングは、今年はけっこうマジメに行っていて
家のそばの フィールドは、富士山が大きく見え、気持ちが良いところです
トレーニングの様子なども、facebookのほうで アップしています。

c0132048_1911325.jpg
c0132048_19114843.jpg

外国の方にも見てもらえるのはfacebookの良いところかも。
よろしければ、ごらんください。

Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2017-01-14 18:44 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(7)

猛禽類の食餌、脱水、日々の管理

先日、エキゾチックをたくさん診ている先生が
「猛禽は、病気になるとインコよりも弱い(元気に戻すのが難しい)イキモノなんだよ」と。

だからこそ日々の食事を含めた飼い方、病気の予防がとても重要。

日々の生活が、健康を左右する。
分かっていそうで、じつはこの日々の管理というのが一番難しいのではないかと思う今日この頃です。

日光浴や、水分補給もとても大事です。
脱水すると相当弱る。けど、補液してやるだけですぐ回復することもある。
c0132048_08490167.jpeg

(脱水がある状態。目の周りが落ち窪んでいる。脱水すると代謝も落ち、そのうに入れた餌の通過がなかなか進まない。)

c0132048_08551458.jpeg
c0132048_08554320.jpeg

(新しく猛禽を受け入れた際や、トレーニングをするために絶食させる際、脱水が見られることは多い。こちらも目の周りが窪んでいるが 判断が難しい場合もあります)

訓練のためフードをかけていると、自由に水が飲めないことも多い。
我が家は、休みの日は日光浴のほか水浴びさせたり霧吹きで水をかけたりするよう、心がけています。
c0132048_08532269.jpeg
c0132048_08542529.jpeg


猛禽類の食餌(栄養や処理)については渡会先生が、とても詳しくまとめてくださっています。猛禽類と暮らす上で、知っておくべき情報ばかりです。

前までは私も「内臓は全部取ったほうが良い」と思っていましたが、
渡会先生のお話や他の先生と相談した内容を踏まえると、やはり消化管以外の内臓は与えたほうが良いようです。

要は鮮度と保存状態が大事ということです。

なので、肉の色や匂いをチェックし、プリプリの新鮮そうなウズラであれば、肝臓なども与えるように変更しました。

長年ハヤブサと生活しているものの、日々、試行錯誤です。犬のほうがよっぽど楽だなぁ…なんて、思ったりします。
c0132048_08481707.jpeg

いや、犬だって決して単純ではなく。
痛い、かゆい、お腹すいたと、喋ってくれる人間のほうが、病気の発見はよほど簡単ですね。
[PR]
by biker-vet | 2016-03-25 08:04 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

ナナとのお別れ(2015年9月,10月 解剖所見 中毒について追記)

2011年5月29日

久しぶりの日記になってしまったのには、時間が取れなかったのもあるし

もうひとつは、我が家の鳥が 亡くなったということがありました。

c0132048_9223119.jpg


マーリン(コチョウゲンボウ)の、ナナ。
昨年 我が家に来た子でした。
その羽根の色、くちばしの感じから、年齢が高いんだろうなと推測していたけど、

我が家で一番、食欲旺盛で
エサの用意をすると一番にばたばたと反応して ごはん!!とせがむ
元気な子だった。

ある日突然、食欲が落ちて、エサを残したので
あれ?
と思って
ふと気づいたときは尿酸がライムグリーンの、いわゆる「非常に悪い」異常便。

c0132048_9184041.jpg


そのあとは 食べたエサも吐いてしまい、目をしょぼしょぼさせて、
一気に具合が悪くなってしまいました。

その日の夜 病院に連れて行って
即入院したのですが
次の日の夕方 先生から電話があり
つい先ほど息をひきとった…と。


あまりにも早い展開に、正直呆然として
現実を受け入れづらいものがありました。


原因究明のため、剖検をおねがいしました。

結果は、「動脈硬化が疑わしい」
とのこと。
動脈硬化は
高齢の鳥ではたまにあると。
(※2015年9月 10月 下に追記あり)

そのほか、細菌やウイルス感染の可能性
テフロン加工等のフライパン加熱(ポリテトラフルオロエチレン:PTFEガス)や スプレー等のガスによる中毒
なども考えられる原因としてはあるとのことでした。

吸入中毒は思い当たる節がなかったけど
(※2015年9月 下に追記あり)
ウイルスの可能性…というのには どきっとしました。

じつは、チョウゲンボウのシンも、ナナが具合悪くなる2週間ほど前からまた
血の混ざった粘膜便をしていたので
病院にかかっていました。

でも薬(抗生物質等)があまり効いてないようで
薬あげ始めてから1週間たってもまだ便の調子がよくなかった。

もしかしたらナナと同じ原因かもしれない…と ほかの感染性のモノや中毒も疑い
ナナの亡くなった次の日、急いで、豪徳寺のリトル・バードにて、シンの糞便検査をもう一度してもらいました。

幸い…というのも変だけど
コクシジウム(寄生虫の一種)が検出されたのですよ、シンから。
なので、ちょっとだけ、安心したというか…
シンは今はコクシの治療をしています
症状は改善してきています。

もちろん、ウイルス性の感染症の可能性も、無きにしもあらず…
なので、もしそうだった場合
ナナの身体は、接触させると ほかの鳥たちへの感染源になりかねない。

それもあり
ナナは、剖検後、お骨にしてもらうことにしました。


お骨にしてもらうということは、
なんというか、仏教的な考えなのかもしれないけど
天に昇っていって輪廻転生する姿を想像することで
自分自身の中での心の区切りになるような気がします。

お骨が戻ってきたら、
お供えをしてあげようと思ってます。

生肉はさすがに 厳しいので
ナナの胸元の色のような、
綺麗な山吹色の花でも 供えようと思います。

c0132048_918353.jpg

※2015年9月
1)病理検査報告書

解剖所見
心臓:両側腕頭動脈の肥厚・効果++
肺:鮮紅色++
腹大動脈:肥厚・硬化+
肝臓:暗赤色+++、腫大++
脾臓:暗赤色++
腺胃:内容物なし
筋胃:粘膜面に黄白色の粘ちょう液付着+
腎臓:暗赤色化+


2)吸入中毒は思い当たらない、と書いていますが
鳥は、吸入毒性に対しては非常に感受性が高いため、否定はできません。
殺虫剤、芳香剤、ニス、ラッカー、スプレー、などでも中毒を起こす可能性があります。
人間が気づかず日常使っているものが、中毒の原因になっている可能性があります。
我が家でも、鷹道具作りで革の染色材や接着剤を使うこともあり
もしかしたらそうしたことが、小さいナナの身体に大きなダメージを与えていたかもしれません。



※2015年10月
3)鉛や亜鉛などの金属を摂取したことによる急性中毒(鉛中毒)や亜鉛ちゅうどだった可能性も否定できないように思います。
鉛中毒は、通常 固形の鉛を摂取することで発症しますが 
それ以外にも、
鉛が基剤の塗料(ニス・ラッカー)など 鉛を含むものは日常に存在しており
目に見えないところで暴露している可能性があります。

レントゲンに写ることもありますが、写らない場合もあり、はっきりした原因が不明な場合も多いようです。
溶血症状(赤血球が破壊される)、消化器症状、神経症状、腎不全などが見られることが多いようです

・突然の発症で、肉付きは良好、急に具合が悪くなった
・便ではなく、尿酸の色がライムグリーン(通常は白)
・解剖所見
から、鉛中毒だったという可能性もあるのではないか…と、今更ながら思いました。

飼い主が死なせてしまったかもしれないと考えると 苦しいのだけど
記録を残すことで 同じような事例で苦しむ鳥を減らすことにつながれば。

上記のような場合は、いちもくさんに病院へ行くことをおすすめします

[PR]
by biker-vet | 2015-10-22 07:29 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(6)

くちばし・爪のメンテナンス

c0132048_1428773.jpg

マーリン(コチョウゲンボウ)のマーコの伸びた嘴を整える。

c0132048_14283116.jpg

ご老体なうえ神経質なマーコはすぐハアハアしてしまうので短時間勝負。

c0132048_14291438.jpg

美人おばあちゃんになりましたかね


Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2014-11-08 14:30 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

換羽期の猛禽の体調管理

最近また、フクロウのゴンが食べ物を消化する前に嘔吐することがあった。

このブログの検索ワードを見ても、「フクロウ」「嘔吐」などの検索が増えてきています。


換羽は新しい羽根をはやすために多くのエネルギーを必要とするから
免疫力も低下するし、
ホルモンのバランスも関係して、
やはり、換羽のこの時期、体調を崩す猛禽は多いです。


c0132048_134394.jpg

ゴンの場合、嘔吐したときは、その日はそれ以降、餌は与えません。
一日絶食します。

食べさせようと思っても、その日は目をつむり、ジッとしていることが多い。


次の日、顔色や糞の状態を確認して、大丈夫そうであれば
ミンチ状にした肉にたくさん水を含ませ、少しずつ与えます。

2日目も具合が悪そうにして、まったく食べない…という場合は 病院に行き検査をするのでしょうけど
いまのところ、2日目には
「おなかすいたーー」
と餌を食べてくれるので

一時的なもので収まっています。

これは、経験的なものもあるので、
少しでも不安で、おかしいな?と思う場合は、遠慮せずに獣医に診てもらうべきだと思っています。

飼い主の「おかしいな」の直感は、病気を発見する上で、なによりも大事だと思うので。



先ほども書いたように、換羽期は免疫力も低下するので
感染症に対する抵抗力も弱まっています。

またこの季節は、生肉を餌とする猛禽類にとっては「食中毒」も怖い病気です。
細菌などが増えた餌を食べることで、胃腸炎や嘔吐を引き起こします。

なので
「換羽期だから嘔吐もあるかも」と思うのではなく
他の病気を発症する可能性も、頭に入れておくのが良いんですね。


この時期は、無理をさせずに、栄養のあるものを与えて なるべくストレスをかけないように心がけています。

我が家では、エサにはウズラのほか、スズメやヒヨコなど、いろんな種類のものを与えるようにしています。
(いろんな意見があるかもしれませんが)

c0132048_13265037.jpg
c0132048_132781.jpg

この前の冬に日本に来日した時、講習会をしてくれた アメリカのファルコナー Shawnも
「僕も、身体の大きなハヤブサにも、スズメのような小さな鳥も与えるようにしているんだよ。」
と言っていました。

Shawnのように、鳥を大事にし、鳥の健康を第一に考えて、たくさんのハヤブサをトレーニングしているファルコナーの意見は、
やはり心にスッと入り、響くものがあります。


ハヤブサたち全員に、この夏の時期、換羽の時期を健康に乗り切ってもらい
良い羽根をはやして また秋には良いフライトをしてもらえると良いな


夏日の今日、ゴンはさっきから1時間以上 水浴びしています・・・
c0132048_13592037.jpg






Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2014-06-29 13:50 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

くちばしのメンテナンス

鳥たちの爪、くちばしのメンテナンスを行いました。

飼育下の猛禽類のくちばしは、野生下の個体に比べ、固いものを食べる機会が少ないこともあり
削られる量がわずかなため、
放っておくとどんどん伸びて 餌を食べにくくなるばかりでなく
くちばしが欠けたり 病気やけがの原因となります。


私たちは キャスティング・ジャケットを利用して自宅で行いますが
簡単そうに見えるけれど、じつはなかなか難しい。
勢いや角度を調整しながら慎重にやらないと、嘴にヒビが入ったり、欠けてしまうことも。

慣れない人は決して無理せず、専門の病院などにやってもらいましょう。

ファルコネスト:猛禽類:健康管理


ペレグリン ライカのくちばしを整えます
BEFORE
c0132048_19255357.jpg


キャスティングジャケットで保定し、すばやく行います
c0132048_19255565.jpg

c0132048_19255619.jpg

c0132048_1925586.jpg

c0132048_192607.jpg


表面を削り 厚みを整えます
c0132048_1926154.jpg


AFTER
すっきりしました
c0132048_1926320.jpg


くちばしのケアについて書いた以前の記事は
「病気・メンテナンス」記事一覧にあります。
アクセス数が多い記事なので、参考までに
[PR]
by biker-vet | 2013-06-02 19:22 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

食中毒?

c0132048_014847.jpg

金曜夜仕事から帰ると、ゴン(フクロウ)がひどく嘔吐していて、具合がすごく悪そう
猛禽は、いきなり具合悪くなっていきなり重篤…
というのが今まで多いのでとても心配で
でも昨日は前日より良さそうで、ヒヨコも食べ、いつもお世話になっている先生にも診て頂き
今日からしばらく投薬で様子見です。一時的なモノだとよいけれど。
猛禽はほんと食餌に気を遣いますね
これから細菌が元気になる季節ですしね
[PR]
by biker-vet | 2013-05-14 00:01 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(5)

くちばしのケア ポイント


【ポイント】
※慣れていない人は決して無理してやらない。猛禽の専門病院か、購入したお店でやってもらう
※くちばしのケアは、二人で行う。手術のとき執刀医のほかに助手が必ず付くように、呼吸、細かな異変を見るため。
※必ず、処置をする際は冷房を効かせる。(いくら部屋を涼しくしていても暴れれば熱中症、もしくはショックを起こすので夏以外のほうが安心。)
※素早く作業を終わらせるため、あらかじめ道具はすべて用意しておく。
※保定、処置は短時間で行う(我が家の場合、大型の鳥では一回の処置にかける時間は5分程度、小型の鳥は2-3分以内を目安にしてそれ以上になりそうならまた別の日に行うようにする)



c0132048_9553795.jpg

c0132048_9555154.jpg

フードもしくはタオルなどで顔を覆い、見えないようにして落ち着かせる。
c0132048_9574643.jpg

c0132048_9573295.jpg

c0132048_9582280.jpg




c0132048_1011748.jpg

c0132048_1005446.jpg

c0132048_1013656.jpg

Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2012-07-08 10:01 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

くちばしのケア&たいせつなこと (2)

c0132048_942152.jpg


病院へ連れて行くべきか、そっとしておくべきか、短時間で私たちは考えなきゃいけなかった。

マーコのような神経質な鳥を外に連れていくこと、診察を受けることがどれだけのストレスになるか。
それがきっかけで、容体が悪化しないとも限らない…

でも 一か八かで、このときは病院に連れていくことにしました。

もし身体の機能が非常に悪い方向に行っているとしたら、家でできることは限界がある、病院で集中治療をしてもらうほうがまだ可能性はあると思ったからです。

幸い、家から30分の、いつも見ていただいているリトルバードの院長の予約が取れたので
さっそく連れて行き、院長先生に診てもらいました。

診察の結果
熱中症ではなく、ショック状態になったのでは… ということでした。


ショック状態というのは、良く女子が言う「え~ショック~!」っていうノリではなく
医学的にはすごく悪い、死につながる危険率が高い状態

(急性になおかつ全身性に起こった末梢循環不全状態で 重度かつ生命の危機を伴う病態。)


保液(点滴)をしてもらい、マーコはそのあと、徐々に落ち着きを取り戻して 夜には元気になりました。

餌を食べる姿をみてようやく、ホッとしました。

c0132048_938133.jpg



このときは
本当にぎりぎりのところで間一髪気づくことができたから良かったのだけど
もし「もうちょっと大丈夫だろう」なんてそのままマーコの嘴を整えていたら…と思うとぞっとします…

とにかく、絶対無理せずに ちょっと危ないかな…と少しでも思ったら途中でも中止することが大事。

くちばしが伸びていても死にはしないけど、無理な保定で死んでしまうことはあるんです、本当に。


旦那も昔、
無理に据えようとして大事なハヤブサを死なせてしまったことや、
少し無理して飛ばして鳥をロストさせたりした、辛い過去があります。

だからこそ
「自分の直感に従え。どんな場面でも 少しでも危ないと思ったらやめろ」
と、私は猛禽のトレーニングの際 幾度となく言われ続けています。
危険な体験を何度か経験してきた私も、それが一番大事だな、と今は思います。



無理してよいことは何もない。
死なせないことが一番大事。


これは動物病院時代に副院長から言われたことば。


ちょっとでも「今日は暑くなりそうだな」と思うときはどんなに朝涼しくても冷房を入れていくようにしたり、
体調がおかしいかも?と思った時は様子を見ずに病院に連れて行ったり、
風が強いな、と思ったら無理して飛ばさない…


そんなちょっとした心遣い、センスが、猛禽を危険から遠ざけ、健康に長生きさせるためには必要なんだと思います。



Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2012-07-08 09:39 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)

くちばしのケア & たいせつなこと

マーリンのマーコはとても神経質で、普段から大人しく据えられる子ではないので
なるべく嘴のケアをしなくて良いように、くちばしが伸びないように、骨付きの肉をかじらせるようにしていました。
でもやっぱりどうしても伸びてしまって
気づいたらこんな 魔女の鼻みたいなくちばしになってしまった。

c0132048_21402499.jpg

c0132048_21403884.jpg


こうなると、マーコも気になるようで、ずっとジェス(足革)に嘴をこすりつけて研いでいる。
いよいよくちばし切るか…

ということで旦那とやることにしました。



最初に、キャスティングジャケットを装着。
まず、私がマーコを据え、暗い所に連れて行く。
旦那が後ろからマーコの肩(羽根の付け根)を持ち、羽根を広がらないよう押さえる(このあたりは保定法を参考に)。

ココがすばやくできるかが、その後どれくらい時間をかけられるかを決める。

保定したら、フードをかぶせ、そのままキャスティングジャケットにくるむ。
旦那が、羽根を保定したままキャスティングジャケットにうつぶせに横たえ、私がジャケットのテープを体に巻きつけて固定。

c0132048_2143349.jpg



す巻き状態になったら、作業開始。
ここからは時間との勝負。
どのくらい時間をかけずに手早くやるかが最重要。
旦那が集中して作業する間、私は常に時間、呼吸、鳥の顔色を見て、「1分経過」や「呼吸が荒い」と報告。

c0132048_22104037.jpg



このとき失敗だったのは
まず暗がりで保定するのに時間をかけてしまったこと。
この時点で相当なストレスをかけ、心拍をあげてしまった。
そして処置の時間も長かった。
保定で3分、処置に3分くらいは費やしたかな…

マーコは保定後ずっと興奮して鳴いていたけど
私は「まだ大丈夫」と思った。あと少しで終わるから…と。
c0132048_21452151.jpg


マーコが拘束されてから 5-6分だったと思う。
でもその時間ずっと興奮状態だったマーコにはとても長い時間だったのだろう、
突然「オエ…」と
苦しそうに何かを吐きだすしぐさを始めました

これはかなり危ない、と私も旦那もとっさに気付き、すぐにキャスティングジャケットを外し、マーコをいつものパーチに戻しました。

でも、マーコの様子は戻らない。
ずっとハァハァと荒い呼吸をして、羽根を拡げて、
足はフラフラとパーチに止まっているのがやっとの状態。

熱中症になってしまったかと思い、急いで霧吹きで脇のしたあたりに水をかけ
体を冷やしました。

でもマーコはその後も、呼吸が荒く、目がうつろで、足はふらふら。
もしかしたらマーコだいじょうぶじゃないじゃないか・・・そう思いながらペットシーツを見て…
胸がギュッとなりました。
マーコは、非常に悪い、といわれるライムグリーン色の便をしたのです。

c0132048_21531751.jpg

オスのマーリン、ナナが亡くなる直前も、こういう便をしていました。


これはマーコの体に想像以上のことが起こっていると思いました。


つづく・・・


Falconry Equipment STOOPER
http://www.stooper.jp/
[PR]
by biker-vet | 2012-07-01 21:02 | 鳥の病気・メンテナンス | Comments(0)


ファルコナー(鷹匠)歴約9年。ハヤブサのトレーニング、病気&健康管理のことなどを徒然なるままに。STOOPERのオーダーメイドグローブ・フードも紹介しています。http://www.stooper.jp


by biker-vet

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

タグ

(82)
(75)
(40)
(35)
(32)
(31)
(29)
(28)
(23)
(18)
(14)
(14)
(10)
(9)
(8)
(8)
(4)
(4)
(1)

カテゴリ

全体
ファルコンリー(鷹匠)
鳥の病気・メンテナンス
競技会・イベント
猛禽用グローブ・フード
獣医師
アウトドア
旅行
グルメ
その他
wedding
子宮筋腫
ご挨拶
野生動物・リハビリ
未分類

以前の記事

2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 08月
2016年 07月
more...

画像一覧

最新のコメント

イッチーさん ルアーパ..
by biker-vet at 07:51
フライトフェスタ参加で御..
by イッチー at 07:44
Naoさん ルアーパス参..
by biker-vet at 22:37
フライトフェスタ参加予定..
by Nao at 11:16
はじめまして。お返事遅く..
by biker-vet at 23:47
いきなりコメント失礼しま..
by 熊谷瞭佑 at 21:40
永橋さん ありがとうご..
by biker-vet at 19:44
NAOさん 書き込みあ..
by biker-vet at 19:30
マロンでルアーパス、Ha..
by NAO at 14:01
イッチーさん 年末はあ..
by biker-vet at 19:30

外部リンク

お気に入りブログ

増山麗奈の革命鍋!
傷病鳥獣のリハビリテイタ...
エトブン社 絵草紙 <<...
muni origina...
NO FALCONRY,...
yoshie,8min....
Le chemin qu...
【笹山RCグライダークラ...
女性犬ぞりマッシャーの日々
kawasemikoの気...
JRF(Japan RA...
ココロフォト
自転車で 行ってきまーす
catering&cra...

検索

ライフログ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

動物・ペット