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シンの容態

小さいころ じぶんの具合が悪いってことが理解できなくて、
なんだかへんな感じだな・・・と思っていても親に伝えられなかった。

その日の夜、吐き気が止まらずに何度も何度も戻して、ぐったりして、救急で病院に運ばれた。

タオルケットにくるまれて母に抱かれてタクシーに乗ったこと 手の甲からの点滴の針が痛かったことを 思い出した。

あの時、母にすごく心配させたかもしれないな
私も今回すごくシンのこと心配だったから。



生きた心地のしない数日間でしたが、、、
チョウゲンボウのシン、生還しました。

よかった… 
助かる確率は5分5分くらいか…と 思っていたけど

「リトルバード」の院長先生に命救ってもらいました。

血液検査の結果は…
白血球の増加(特に慢性炎症の際増加する「単球」という種類の白血球が増加)
尿酸↑ Ca(カルシウム)↑ P(リン)↑…腎臓へのダメージがあったことを示す
K(カリウム)↑…人では心臓に障害がおよぶ(心停止?)レベル…


嘔吐、食欲廃絶、便も内容物の出てない、胆汁だけのものだったことから
最初は腸閉塞も疑いましたが、
強制給餌で液状の餌から徐々に固形の餌を与えていっても、嘔吐が見られなかったので
「腸炎が疑わしく、そこから敗血症までいっちゃってたのかもしれないね」
とのことでした。

※敗血症…細菌によって引き起こされた全身性炎症反応症候群であり、感染症が全身に影響を及ぼしている状態。
感染が起きると、局所で炎症が発して、やがて鎮静して治癒(ちゆ)します。しかし、微生物の勢いが強かったり、宿主の免疫力が弱ければ、炎症が治まらずに全身に波及します。これが敗血症です。本来、宿主を治すために生じる炎症ですが、これが強くなりすぎると歯止めがきかなくなり、宿主は消耗し障害されます。生体は恒常性を維持するために、1つの働きが強くなりすぎないよう、これ を抑える逆の働きをもちます。フィードバック機構といいますが、敗血症ではいまだ完全には解明されていない理由で、これがうまく作用せず、際限なく炎症が強くなります。その結果、宿主は自らの炎症反応で自分を破壊してしまうのです。
非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、播種性血管内凝固(DIC)、多臓器不全などから早晩死に至る。もともとの体力低下を背景としていることが多く、治療成績も決して良好ではない。急激に腎不全・呼吸不全・心不全などを合併する恐れがあり、ICU等において全身状態の集中的な管理が必要。



輸液、抗生物質・腎臓等の注射、強制給餌等を行い、1週間。
毎日 病院に電話してシンの容態を聞きました。

今日は吐いてないですよ、自分で肉を食べましたよ、、、と獣医師に電話越しに言われたときは 
ほっとして力が抜けへたり込みそうにりました。
「獣医師の一言が こんなにも飼い主を安心させるんだなぁ」
ということにも改めて気づかされました。


まだ投薬は続けています。食は細いですが、シンは自分から食べています。
しばく通院で様子見です


自分の恥を晒しますが 
シンは、1ヵ月ほど前から、たまにこんな便をしていました。
シンの容態_c0132048_23101611.jpg

1週間前にしたのが一番ひどい状態でした
そもそもこんな便が出た時点で、病院に連れて行くべきでした。



飼育下の個体は、野生に比べ、免疫力が弱いことがあるそうです。

シンもそうですが おなかの弱い子に与えるえさには特に注意をしなければ。
ウズラ肉はその飼養状況からして、身体に付着している菌も多いので、与える前に皮を剥いた後も一度肉を洗うこと。
弱っているときは、菌の少ないと思われる肉→(スーパーで売っているヒト用の)ササミや 清潔な環境下で飼育されたマウス等を与えると良いとのこと。

内臓除去した肉を食べさせているとどうしても栄養が偏るので、ネクトンなどのサプリメントは必須。
うちは週2回ほど与えるようにしています。


飼われている猛禽の体調不良、コメントでもありましたが 多いようですね。
この猛暑で、生肉の中の細菌も増えやすいでしょうし、暑さから体調を崩してしまう猛禽も特に多いのかもしれません。
動物の熱中症もかなり多いみたい。
とにかく おかしいなと思ったら 様子を見るのではなくすぐに病院へ・・・が大事ですね。



心配してくださったみなさん ありがとうございました。
たくさん励まされました。

シンは幸せ者です。
シンの容態_c0132048_23115137.jpg

by biker-vet | 2010-08-11 23:29 | 鳥の病気・メンテナンス


falconer歴約10年。ハヤブサ・鷹などの猛禽類のfalconryトレーニング、病気・健康管理、野生動物(主に猛禽類)の治療やリハビリのことなど。STOOPERの猛禽用グローブ・フードも紹介しています。http://www.stooper.jp


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